木取り      木にふれるには

1.伐採
  秋から冬にかけて行われることが多い。
  この時期は樹木の成長が緩やかになる頃で、樹皮近くの水分や糖などの栄養分が減少するため、虫害やカビによる被害が少なくなります。
2.原木市場
  伐採し適切な寸法(例 3〜4mなど)に造材された丸太を取り扱うところです。
3.製材工場
 入荷した材の丸太の皮むき

  製材する前に丸太の表面の皮を剥ぎます。
  木の皮は人の服と同じで、中を隠してしまうため、皮の中にある小石・針金や釘などを見落とす事になります。たまに猟銃の弾が出てくることがあります。異物が付いたまま製材しますと、製材木の鋸を傷める可能性があります。
  もっと重要な理由は、樹木には真直ぐ成長するのもあれば、ねじれながら成長するものもあり、また木肌には傷・節・割れなどがあり、その様な木自体のくせを見分けやすいからです。

 
 製材する前に丸太の木取りを行います。
  
  「木取り」とは、1本の丸太から、いかに無駄なく価値ある製品を採材するか、あるいはどんな部材を丸太のどの場所から採材すれば最良かを決めることです。
  丸太を所定の寸法・種類の製材品にするためののこびきする位置と順序のことを木取りといいます。
  木取りの方法は、製材する樹種などによって異なり、材料の条件、製品価値、製品の歩止り、製材能率、製品の需要動向、製品の種類などを考慮して決められ、多くの種類があります。
  基本的な木取りのパターンとしては、下の図が示すように、だら挽き(布挽き、丸挽き)、わく挽き(側挽き、板挽き)、廻し挽き、巴挽き、樹心割り(胴割り)、柾目挽き、角物取りなどがある。
だら挽き
(布挽き・丸挽き)
わく挽き
(側挽き・
板挽き)
樹心割り
(胴割り)
柾目挽き
廻し挽き(3回)
巴挽き(4回)
心持ち角取り
心掛り角取り
心去り角
(割角)取り
心去り角
心持ち角取り
 製材・・・丸太の大割り、平割等を行う。
 人工乾燥
   乾燥施設を用い人工的に乾燥させる。
 天然乾燥
  
天日に一定期間置き乾燥させる。
 モルダー・・・最終仕上げとなる材面調整の工程。
 
 市場 小売店(流通関係)・・・柱製品の完成
 
 プレカット・・・プレカット加工  
 
     プレカット加工された製材  
 


  木材は断熱性に優れた材料であるため、長時間立っていても、足の冷えをあまり感じません。
床材料の違いによる足の冷え方

出典:木材工業Vol.22(1966)



  木材はショックを受けとめて吸収してくれるので、飛びはねても痛くないし、疲れにくいです。
ガラス玉を床に落として割れる高さ

出典:木づくりの常識非常識
上村武著、学芸出版社



  木材は室内の音を適度に吸収しますが、コンクリートは、ほとんど吸収しないため、音がいつまでも残っています。
内装材の吸音率

出典:木材工業ハンドブック



  木材は湿度を吸湿・放湿し室内の湿度調節を行っているため、湿度は50%前後で一定しています。

出典:木材研究資料 
則元京、山田正No.11(1997)



  木材は紫外線の反射が少なく、目に与える刺激が小さいです。また赤外線の反射は大きく暖かさを感じさせます。

出典:木がつkる住環境・視覚編
(財)日本木材総合情報センター



  木材には、においのもとになる成分が多くふくまれており、それらの成分は消臭や殺虫・殺菌に対して効果があります。

出典:木がつくる住環境・芳香物質編
(財)日本木材総合情報センター